ニラパリブ
ニラパリブは卵巣癌における初回化学療法後の維持療法に用いられるPARP阻害剤です。ヒトPARP-1及びPARP-2の酵素活性を阻害することで、癌細胞の増殖を抑える働きをします。
ニラパリブトシル酸塩水和物は卵巣癌における初回化学療法後の維持療法を適応とするPARP阻害剤であり、日本ではゼジューラ錠100mg(武田薬品工業株式会社)が流通しています。
本ページの効能・効果および作用機序は、PMDA 公開の添付文書情報に基づき平易に再構成したものです。作用機序の説明の深さは、米国で現行の医薬品添付文書(DailyMed)との相互照合(審査方針 §6.3・cross-check)により確認済みで、その文書は下記の引用一覧に実引用されています。承認に関する事実は PMDA 記録に基づきます。用法・用量については医師の処方と最新の添付文書をご確認ください。
作用機序
薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。
平易に言うと
ニラパリブはPARPという酵素の働きを阻害する薬です。ニラパリブはヒトPARP-1及びPARP-2の酵素活性を阻害します。結果として、相同組換え修復欠損を有する腫瘍の増殖が抑えられます。
詳しく
ニラパリブはポリアデノシン5'二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、PARP阻害活性を示します。ニラパリブが阻害するPARP-1及びPARP-2を含むPARP酵素は、DNA修復に関与しています。ニラパリブは、ヒトPARP-1及びPARP-2の酵素活性を阻害し、相同組換え修復欠損を有するヒト卵巣癌患者由来腫瘍組織片を同所移植した重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示しました。試験管内の研究では、ニラパリブによる細胞障害性には、PARP酵素活性の阻害及びPARP-DNA複合体の形成増加が関与している可能性があり、その結果としてDNA損傷、アポトーシス及び細胞死が生じると示されています。ニラパリブによる細胞障害性の増大は、BRCA1及びBRCA2の欠損の有無にかかわらず、腫瘍細胞株で観察されています。ニラパリブは、BRCA1及びBRCA2の欠損を有するヒト癌細胞株のマウス異種移植モデル及び相同組換え修復欠損(HRD)を有するヒト患者由来異種移植腫瘍モデル(BRCA1及びBRCA2が変異型であっても野生型であっても)において、腫瘍の増殖を低下させました。
アニメーションで仕組みを見る
仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。
ニラパリブはポリアデノシン5'二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、PARP阻害活性を示します
- ニラパリブが阻害するPARP-1及びPARP-2を含むPARP酵素は、DNA修復に関与しています。
- ニラパリブはヒトPARP-1及びPARP-2の酵素活性を阻害します。
- ニラパリブによる細胞障害性の増大は、BRCA1及びBRCA2の欠損の有無にかかわらず、腫瘍細胞株で観察されています。
- 結果として、相同組換え修復欠損を有する腫瘍の増殖が抑えられます。
ターゲット:PARP(ポリアデノシン5'二リン酸リボースポリメラーゼ)
ヒトPARP-1及びPARP-2(ポリアデノシン5'二リン酸リボースポリメラーゼ)は、ニラパリブが酵素活性を阻害する酵素です。この酵素が阻害されると、相同組換え修復欠損を有する腫瘍の増殖が抑えられます。
承認された適応
適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。
Japanでの承認適応
PMDA- 卵巣癌における初回化学療法後の維持療法
公式ソース
このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。
- PMDA 医療用医薬品添付文書(ゼジューラ錠100mg)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
- DailyMed 医薬品添付文書(ZEJULA)
DailyMed, U.S. National Library of Medicine
- 海外がん医療情報リファレンス(日本癌医療翻訳アソシエイツ) Niraparib[ニラパリブ]
一般社団法人 日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT)
このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。
MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。