エボロクマブ
エボロクマブはPCSK9を阻害するヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤です。LDL受容体の分解を抑えることで、血液中のLDLコレステロールを効率よく除去し、コレステロール値を下げる注射薬です。
エボロクマブ(遺伝子組換え)はヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤であり、家族性高コレステロール血症および高コレステロール血症の治療に用いられます。日本ではアムジェン株式会社が販売しています。
本ページの効能・効果および作用機序は、PMDA 公開の添付文書情報(レパーサ皮下注140mgペン、アムジェン株式会社)に基づき平易に再構成したものです。用法・用量については医師の処方と最新の添付文書をご確認ください。
作用機序
薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。
たとえ話
肝臓の表面にはLDLコレステロールを回収する「受容体」という窓口があります。PCSK9はこの窓口を壊してしまう係のようなものです。エボロクマブはこの係を止めることで窓口を守り、LDLコレステロールを効率よく回収できるようにします。
平易に言うと
エボロクマブはPCSK9というタンパク質に高い親和性で結合し、PCSK9がLDL受容体に結合するのを阻害します。PCSK9はLDL受容体を分解して減らしてしまうため、これを阻害することで肝臓表面のLDL受容体が保たれ、血液中のLDLコレステロールの取り込みが増加します。
詳しく
エボロクマブ(遺伝子組換え)はヒト抗PCSK9モノクローナル抗体であり、LDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9に高い親和性を示し、PCSK9のLDL受容体への結合を阻害します。培養ヒト肝細胞系において、PCSK9刺激によって低下したLDL取り込みを増加させることがin vitroで確認されています。これにより肝臓のLDL受容体数が保たれ、血中LDLコレステロールのクリアランスが促進されます。
アニメーションで仕組みを見る
仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。
PCSK9阻害薬の働き
- 肝細胞の表面にあるLDL受容体は、血液中のLDLコレステロールを取り込む。
- PCSK9というたんぱく質が受容体にくっついて破壊印を付け、表面の受容体を減らす。
- 抗体が血中のPCSK9を捉え、LDL受容体へ届かないようにする。
- 肝細胞表面のLDL受容体が保たれ、血中のLDLコレステロールが低下する。
ターゲット:PCSK9(proprotein convertase subtilisin/kexin type 9)
肝細胞表面のLDL受容体を分解する働きを持つタンパク質です。PCSK9が増えるとLDL受容体が減り、血液中のLDLコレステロールを回収できなくなります。
承認された適応
適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。
Japanでの承認適応
PMDA- 家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症(心血管イベントの発現リスクが高く、かつHMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない場合に限る)
公式ソース
このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。
- PMDA 医療用医薬品添付文書(レパーサ皮下注140mgペン)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
- 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版 第3章 薬物療法
一般社団法人日本動脈硬化学会
このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。
MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。