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バリシチニブ

オルミエントヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤

バリシチニブはJAK1・JAK2を阻害し、炎症性サイトカインの細胞内シグナルを遮断する経口の免疫抑制薬です。既存治療で効果不十分な関節リウマチ等の治療に用いられます。

バリシチニブは既存治療で効果不十分な疾患に対して用いられるヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤です。

本ページの効能・効果および作用機序は、PMDA 公開の添付文書情報(オルミエント錠4mg、日本イーライリリー株式会社)に基づき平易に再構成したものです。用法・用量については医師の処方と最新の添付文書をご確認ください。

作用機序

薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。

たとえ話

JAKは「サイトカインの伝令」です。炎症の指令が細胞の表面に届くと、JAKがその指令を細胞の奥(核)へ運びます。バリシチニブはこの伝令の足を止めることで、炎症の連鎖を食い止めます。

平易に言うと

バリシチニブはJAK1およびJAK2の活性を阻害し、サイトカイン受容体の下流でのシグナル伝達を遮断します。これによりSTATのリン酸化と活性化が抑制され、炎症や免疫反応に関わる遺伝子の転写が抑えられます。

詳しく

造血、炎症、免疫機能に関与する各種サイトカインや成長因子が受容体に結合する際にJAKが介在した細胞内シグナル伝達が行われます。細胞内シグナル伝達経路の中でJAK自体のリン酸化とともに対応するシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)がリン酸化されます。リン酸化されたSTATは核内に移行し、サイトカインに反応する遺伝子群の転写を亢進します。バリシチニブはJAK1及びJAK2活性を阻害し、STATのリン酸化及び活性化を抑制することによりシグナル伝達を阻害します。

アニメーションで仕組みを見る

仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。

炎症の連鎖を食い止めます

JAK1およびJAK2の活性バリシチニブSTATのリン酸化と活性化
  1. JAKは「サイトカインの伝令」です。
  2. リン酸化されたSTATは核内に移行し、サイトカインに反応する遺伝子群の転写を亢進します。
  3. バリシチニブはJAK1およびJAK2の活性を阻害し、サイトカイン受容体の下流でのシグナル伝達を遮断します。
  4. これによりSTATのリン酸化と活性化が抑制され、炎症や免疫反応に関わる遺伝子の転写が抑えられます。
JAK阻害剤(バリシチニブ)の作用イメージ

ターゲット:JAK1・JAK2(ヤヌスキナーゼ)

造血・炎症・免疫機能に関与する各種サイトカインや成長因子が受容体に結合した際、その下流でシグナルを伝える酵素です。STATのリン酸化を介して炎症関連遺伝子の転写を亢進します。

承認された適応

適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。

Japanでの承認適応

PMDA
  • 〇既存治療で効果不十分な下記疾患:関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
  • 〇既存治療で効果不十分な下記疾患:アトピー性皮膚炎
  • 〇既存治療で効果不十分な下記疾患:多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
  • 〇SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)
  • 〇円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)

公式ソース

このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。

  1. PMDA 医療用医薬品添付文書(オルミエント錠4mg)

    独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)

  2. 経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤「オルミエント®錠」アトピー性皮膚炎適応追加承認取得プレスリリース(EL20-64)

    日本イーライリリー株式会社+インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社

このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。

MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。