ウパダシチニブ水和物
ウパダシチニブはJAKを選択的かつ可逆的に阻害する経口の分子標的薬です。炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制し、アトピー性皮膚炎や炎症性腸疾患の治療に用いられます。
ウパダシチニブ水和物はヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤としてアッヴィ合同会社より販売されています。
本ページの効能・効果および作用機序は、PMDA 公開の添付文書情報(リンヴォック錠45mg、アッヴィ合同会社)に基づき平易に再構成したものです。用法・用量については医師の処方と最新の添付文書をご確認ください。
作用機序
薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。
たとえ話
炎症が起きると、サイトカインという「伝令」が細胞表面の受容体に届き、細胞内のJAKという中継局が次の担当者に信号を渡します。ウパダシチニブはこの中継局のスイッチを切り、炎症の伝令が細胞内に伝わらないようにします。
平易に言うと
ウパダシチニブは選択的かつ可逆的にJAKを阻害し、STATリン酸化の阻害を介して炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制します。アトピー性皮膚炎では、JAK1経路を介してシグナルを伝達するIL-4、IL-13、IL-22、TSLP、IL-31、IFN-γなどの炎症誘発性サイトカインが関与しており、ウパダシチニブはこれらのシグナル伝達を減少させます。
詳しく
ウパダシチニブは選択的かつ可逆的にJAKを阻害し、STATリン酸化の阻害を介して炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制します。JAK1は炎症性サイトカインシグナルにおいて重要であり、ウパダシチニブによるJAK阻害は、湿疹性皮膚病変及びそう痒症などのアトピー性皮膚炎の徴候及び症状を誘発する多くのメディエーターのシグナル伝達を減少させます。炎症性サイトカイン(主にIL-6、IL-7、IL-15及びIFNγ)はJAK1経路を介してシグナルを伝達し、炎症性腸疾患の病因に関与します。
アニメーションで仕組みを見る
仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。
炎症の伝令が細胞内に伝わらないようにします
- 炎症が起きると、サイトカインという「伝令」が細胞表面の受容体に届き、細胞内のJAKという中継局が次の担当者に信号を渡します。
- ウパダシチニブは選択的かつ可逆的にJAKを阻害し、STATリン酸化の阻害を介して炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制します。
- アトピー性皮膚炎では、JAK1経路を介してシグナルを伝達するIL-4、IL-13、IL-22、TSLP、IL-31、IFN-γなどの炎症誘発性サイトカインが関与しており、ウパダシチニブはこれらのシグナル伝達を減少させます。
- JAK1は炎症性サイトカインシグナルにおいて重要であり、ウパダシチニブによるJAK阻害は、湿疹性皮膚病変及びそう痒症などのアトピー性皮膚炎の徴候及び症状を誘発する多くのメディエーターのシグナル伝達を減少させます。
ターゲット:JAKファミリー(JAK1・JAK2・JAK3・Tyk2)
JAKは炎症応答、造血、免疫監視に関与するサイトカインまたは増殖因子シグナルを伝達する細胞内酵素です。JAK1は炎症性サイトカインシグナルにおいて重要であり、JAK2は赤血球成熟に、JAK3は免疫監視およびリンパ球機能に重要な役割を示します。
承認された適応
適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。
Japanでの承認適応
PMDA- 既存治療で効果不十分な下記疾患:関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
- 既存治療で効果不十分な下記疾患:乾癬性関節炎
- 既存治療で効果不十分な下記疾患:X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎
- 既存治療で効果不十分な下記疾患:強直性脊椎炎
- 既存治療で効果不十分な下記疾患:巨細胞性動脈炎
- 既存治療で効果不十分な下記疾患:アトピー性皮膚炎注)
- 既存治療で効果不十分な下記疾患:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
- 既存治療で効果不十分な下記疾患:中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
- 既存治療で効果不十分な下記疾患:多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
- 注)最適使用推進ガイドライン対象
公式ソース
このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。
- PMDA 医療用医薬品添付文書(リンヴォック錠)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
- リンヴォック®はクローン病の炎症反応を抑えるお薬です
アッヴィ合同会社
このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。
MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。