エンパグリフロジン
エンパグリフロジンは腎臓のSGLT2を阻害し、尿中へのグルコース排泄を促す経口薬です。血糖降下作用に加え、慢性心不全および慢性腎臓病の治療にも用いられます。
エンパグリフロジンは選択的SGLT2阻害剤であり、日本では日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社によりジャディアンス錠として販売されています。
本ページの効能・効果および作用機序は、PMDA 公開の添付文書情報(ジャディアンス錠10mg、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)に基づき平易に再構成したものです。用法・用量については医師の処方と最新の添付文書をご確認ください。
作用機序
薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。
たとえ話
腎臓には「グルコースの回収ベルトコンベア」(SGLT2)があり、濾過された糖分をほとんど全て血液中に戻しています。エンパグリフロジンはこのベルトコンベアを止めることで、余分な糖分を尿として体外に排出し、血糖を下げます。
平易に言うと
エンパグリフロジンは腎臓の近位尿細管にあるSGLT2(ナトリウム-グルコース共役輸送担体2)を選択的に阻害する経口薬です。SGLT2は濾過されたグルコースを再吸収する役割を担っており、これを阻害することで尿中グルコース排泄量が増加し、血糖が低下します。インスリン非依存性の機序で血糖を下げることから、すい臓のインスリン分泌能に影響されにくい特徴があります。
詳しく
エンパグリフロジンはSGLT2選択的な競合阻害剤です。腎臓で濾過されたグルコースは近位尿細管に存在するSGLT2によってほぼ完全に再吸収されますが、エンパグリフロジンはこのSGLT2に競合的に結合し、グルコースの再吸収を阻害することで尿中グルコース排泄量を増加させ、血糖を低下させます。なお、腎臓でのグルコース再吸収にはSGLT1も関与しますが、その寄与はわずかです。
アニメーションで仕組みを見る
仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。
エンパグリフロジンがSGLT2を阻害する仕組み
- 腎臓には「グルコースの回収ベルトコンベア」(SGLT2)があり、濾過された糖分をほとんど全て血液中に戻しています。
- エンパグリフロジンは腎臓の近位尿細管にあるSGLT2(ナトリウム-グルコース共役輸送担体2)を選択的に阻害する経口薬です。
- SGLT2は濾過されたグルコースを再吸収する役割を担っており、これを阻害することで尿中グルコース排泄量が増加し、血糖が低下します。
- インスリン非依存性の機序で血糖を下げることから、すい臓のインスリン分泌能に影響されにくい特徴があります。
ターゲット:SGLT2(ナトリウム-グルコース共役輸送担体2)
腎臓の近位尿細管に存在する輸送担体で、糸球体で濾過されたグルコースの大部分を再吸収する役割を担います。この働きが過剰になると、血糖値が下がりにくくなります。
承認された適応
適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。
Japanでの承認適応
PMDA- 2型糖尿病
- 慢性心不全
- 慢性腎臓病
公式ソース
このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。
- PMDA 医療用医薬品添付文書(ジャディアンス錠10mg)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
- ジャディアンス錠 医薬品インタビューフォーム(2025年9月改訂 第20版)
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。
MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。