ベバシズマブ
ベバシズマブは血管内皮増殖因子(VEGF)を中和するヒト化モノクローナル抗体です。腫瘍への血液供給を担う血管新生を阻害し、進行・再発の結腸・直腸癌の治療に用いられます。
ベバシズマブはVEGFを標的とするヒト化モノクローナル抗体であり、日本では中外製薬株式会社により販売されています。
本ページの効能・効果および作用機序は、PMDA 公開の添付文書情報(アバスチン点滴静注用100mg/4mL、中外製薬株式会社)に基づき平易に再構成したものです。用法・用量については医師の処方と最新の添付文書をご確認ください。
作用機序
薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。
たとえ話
腫瘍が伸びた「給水管」で栄養を得て成長しようとするのを、ベバシズマブが給水管の設計図(VEGF)を奪って新しい配管工事を止めるような働きをします。
平易に言うと
ベバシズマブは血液中のVEGFというタンパク質に結合し、VEGFが血管内皮細胞の受容体と結びつくのを妨げます。これにより腫瘍のまわりで新しい血管ができるのが抑えられ、腫瘍は栄養を受け取れなくなって増殖が抑えられます。また、すでにできている血管の透過性も下がるため、腫瘍組織のむくみが軽減されます。
詳しく
ベバシズマブはヒト血管内皮増殖因子(VEGF)に対する遺伝子組換え型ヒト化モノクローナル抗体です。ヒトVEGFと特異的に結合し、VEGFと血管内皮細胞上のVEGF受容体との結合を阻害します。これによりVEGF依存性の血管新生が抑制され、腫瘍増殖が阻害されます。さらにVEGFにより亢進した血管透過性を低下させ、腫瘍組織の間質圧を低減する作用もあります。
アニメーションで仕組みを見る
仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。
VEGFを阻害する薬の働き
- 育っている腫瘍はVEGFという信号を出し、新しい血管を自分のもとへ呼び寄せる。
- 薬剤が血中を巡り、VEGFが血管壁の受容体に届く前に捉える。
- VEGFの作用が阻害されると、内皮細胞の受容体は活性化されない。
- 腫瘍は新しい血管を得られず、増殖が抑えられる。
ターゲット:血管内皮増殖因子(VEGF)
血管内皮細胞の増殖や生存を促し、血管透過性を高めるサイトカインです。腫瘍組織では過剰に発現し、新たな血管を作って腫瘍へ栄養を届ける働きに関わっています。
承認された適応
適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。
Japanでの承認適応
PMDA- 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
公式ソース
このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。
- PMDA 医療用医薬品添付文書(アバスチン点滴静注用100mg/4mL)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。
MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。