アモキシシリン水和物・クラブラン酸カリウム
アモキシシリン・クラブラン酸カリウム配合剤は、細菌の細胞壁合成を阻害して殺菌作用を示すペニシリン系抗生物質と、耐性菌が作るβ-ラクタマーゼを阻害する成分を組み合わせた経口抗生物質です。
アモキシシリン・クラブラン酸カリウム配合剤は、ペニシリン系抗生物質とβ-ラクタマーゼ阻害剤の複合製剤であり、日本ではオーグメンチン配合錠として販売されています。
本ページの効能・効果および作用機序は、PMDA 公開の添付文書情報(オーグメンチン配合錠125SS、グラクソ・スミスクライン株式会社)に基づき平易に再構成したものです。用法・用量については医師の処方と最新の添付文書をご確認ください。
作用機序
薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。
たとえ話
細菌が「レンガの壁」で身を守っている状態に例えると、アモキシシリンはそのレンガの積み方を壊す薬です。しかし、耐性菌は「壁の破壊工作員(β-ラクタマーゼ)」を送り込んで薬を分解してしまいます。クラブラン酸はその工作員を先に片付けることで、アモキシシリンがしっかり働けるように助けます。
平易に言うと
アモキシシリンは細菌の細胞壁を作る働きを阻害することで細菌を殺します。ただし、一部の細菌はβ-ラクタマーゼという酵素を作ってアモキシシリンを分解し、効かなくしてしまいます。クラブラン酸カリウムはこのβ-ラクタマーゼを阻害するため、アモキシシリンが分解されずに細菌に対して強い殺菌力を発揮できます。
詳しく
AMPCは合成ペニシリンで、グラム陽性菌・陰性菌の細胞壁合成を阻害し殺菌的な抗菌力を示します。臨床分離菌のβ-lactam系抗生物質に対する耐性獲得機構のうち最も一般的なものは、細菌がβ-lactamaseを産生して薬剤を加水分解する機構です。CVAはβ-lactamase阻害剤で、β-lactamase(特にpenicillinase)の抗生物質分解作用を不可逆的に阻止します。本剤は両剤の協力作用により相乗的に増大した抗菌作用を発揮し、β-lactamase産生耐性菌に対しても有効な経口用抗生物質です。
アニメーションで仕組みを見る
仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。
クラブラン酸はその工作員を先に片付けることで、アモキシシリンがしっかり働けるように助けます
- アモキシシリンは細菌の細胞壁を作る働きを阻害することで細菌を殺します。
- 一部の細菌はβ-ラクタマーゼという酵素を作ってアモキシシリンを分解し、効かなくしてしまいます。
- クラブラン酸カリウムはこのβ-ラクタマーゼを阻害するため、アモキシシリンが分解されずに細菌に対して強い殺菌力を発揮できます。
- CVAはβ-lactamase阻害剤で、β-lactamase(特にpenicillinase)の抗生物質分解作用を不可逆的に阻止します。
ターゲット:細菌細胞壁合成系(ペニシリン結合タンパク)+β-ラクタマーゼ
細菌の細胞壁はペニシリン結合タンパク(PBP)によって組み立てられます。アモキシシリンはこのPBPに結合して細胞壁合成を阻害し、細菌を殺菌します。一方、β-ラクタマーゼはアモキシシリンを分解して無効化する細菌の防御酵素です。クラブラン酸はこの酵素を不可逆的に阻害します。
承認された適応
適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。
Japanでの承認適応
PMDA- 本剤に感性のブドウ球菌属、淋菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、インフルエンザ菌、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、淋菌感染症、子宮内感染、子宮付属器炎、中耳炎
公式ソース
このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。
- PMDA 医療用医薬品添付文書(オーグメンチン配合錠125SS)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
- Augmentin 625mg Tablets - Summary of Product Characteristics (SmPC)
Beecham Group plc
このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。
MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。