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肺炎球菌ワクチン

ニューモバックスNPシリンジ細菌ワクチン類

ニューモバックスNPシリンジは、抗原として23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドを含む肺炎球菌ワクチン(肺炎球菌の莢膜由来成分からなる不活化ワクチン)です。接種により23種類の血清型に対する抗体価が上昇し、感染防御能を増強すると考えられます。2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い個人及び患者に用いられます。

本ページの効能・効果および作用機序は、PMDAが公開する添付文書(ニューモバックスNPシリンジ、6311400G1021_1_06、2025年10月改訂 第5版)に基づいています。承認の事実はPMDAの現行添付文書で確認できます(承認番号22800AMX00462000、販売開始2020年12月、製造販売元 MSD株式会社)。添付文書の製法の概要には、種菌を調製する前段階でウシ由来成分(ヘミン)を使用し、製造工程に用いる酵素の製造にウシの乳由来成分(カザミノ酸)を使用している旨が記載されています。

定期接種については厚生労働省の現行ページに「令和8年度より、定期接種で用いるワクチンが23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)から、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)に変更になりました」と記載されており、本剤(PPSV23)は高齢者定期接種の現在の対象ワクチンではありません。現在の接種予定(定期/任意、費用助成の有無)は厚生労働省および市区町村の最新の案内をご確認ください。

添付文書の「2歳未満の者では、含有される莢膜型抗原の一部に対して十分応答しないことが知られており、また本剤の安全性も確立していないので投与しないこと」および接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)として「明らかな発熱を呈している者」「重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者」「本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者」「上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者」が記載されています。また添付文書は、接種当日に過激な運動を避け接種部位を清潔に保ち、「接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること」、および「過去5年以内に、多価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを接種されたことのある者では、本剤の接種により注射部位の疼痛、紅斑、硬結等の副反応が、初回接種よりも頻度が高く、程度が強く発現すると報告されている」ことから再接種の際は「再接種の必要性を慎重に考慮した上で、前回接種から十分な間隔を確保して行うこと」を求めています。重大な副反応(アナフィラキシー様反応、血小板減少、知覚異常、ギランバレー症候群等の急性神経根障害、蜂巣炎・蜂巣炎様反応、注射部位壊死、注射部位潰瘍、いずれも頻度不明)や、注射部位の「疼痛、熱感、腫脹、発赤」(5%以上)を含む副反応の頻度の記載も添付文書にあります。本ページは完全な安全性情報を含みません。本ページは情報であり、医療アドバイスではありません。接種の適否は医師の判断と最新の添付文書に従ってください。

作用機序

薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。

たとえ話

肺炎球菌は多糖体の「マント」をまとって免疫細胞から身を隠しています。このワクチンは23種類のマントの見本を事前に体に見せておきます。本物の菌に出会ったとき、抗体がマントに素早く結合し、免疫細胞が食べられるように準備するのです。

平易に言うと

本剤は抗原として23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドを含む肺炎球菌ワクチンであり、本剤を接種することにより23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドに対する抗体価が上昇し、感染防御能を増強すると考えられます。成人においてはPPSV23の初回接種により血清中に特異抗体応答が認められます。

詳しく

添付文書(18.1 作用機序)は次のように記載しています。細菌莢膜血清型ポリサッカライドは、主にT細胞非依存性メカニズムによって抗体を誘発します。そのため、ほとんどの肺炎球菌莢膜血清型に対する抗体応答は、免疫系が未熟な2歳未満の幼児では一般に乏しいか又は不安定です。一般に、莢膜血清型特異的防御抗体レベルの上昇は、ワクチン接種後第3週までに生じます。国立感染症研究所(現・国立健康危機管理研究機構)のファクトシートは、成人の初回接種で血清中に特異抗体応答が認められる一方、PPSV23にはメモリーB細胞を誘導できないため2回目以降の接種による特異抗体のブースター効果はないと記載しています。組成は添付文書のとおり、次の23種類の肺炎球菌の莢膜中に存在するポリサッカライドを各型あたり25μgずつ(総計575μg)含有します。肺炎球菌莢膜型(デンマーク式命名法):1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20A、22F、23F、33F。

アニメーションで仕組みを見る

仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。

肺炎球菌ワクチンが食べられる準備を整える

肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライド肺炎球菌ワクチン感染防御能
  1. 肺炎球菌は多糖体の「マント」をまとって免疫細胞から身を隠しています。
  2. このワクチンは23種類のマントの見本を事前に体に見せておきます。
  3. 細菌莢膜血清型ポリサッカライドは、主にT細胞非依存性メカニズムによって抗体を誘発します。
  4. 本物の菌に出会ったとき、抗体がマントに素早く結合し、免疫細胞が食べられるように準備するのです。
細菌ワクチン類(肺炎球菌ワクチン)の作用イメージ

ターゲット:肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライド

肺炎球菌は、その莢膜によって体内での食菌作用から保護されています。肺炎球菌莢膜の構成成分であるポリサッカライド(多糖体)に対する抗体が菌体莢膜と結合すると、食菌作用が著しく増強され、菌は貪食されます。

承認された適応

適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。

Japanでの承認適応

PMDA
  • 2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い次のような個人及び患者
  • 脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防
  • 肺炎球菌による感染症の予防
  • 1)鎌状赤血球疾患、あるいはその他の原因で脾機能不全である患者
  • 2)心・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏等の基礎疾患のある患者
  • 3)高齢者
  • 4)免疫抑制作用を有する治療が予定されている者で治療開始まで少なくとも14日以上の余裕のある患者

公式ソース

このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。

このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。

MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。