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ナタリズマブ

タイサブリ多発性硬化症治療剤

ナタリズマブは再発型多発性硬化症に対して用いられるヒト化モノクローナル抗体製剤です。炎症性免疫細胞が血液脳関門を通過する過程を阻害し、神経の病巣が新たに形成されることを抑えます。

ナタリズマブ(遺伝子組換え)は再発予防及び身体的障害の進行抑制を適応とする多発性硬化症治療剤であり、日本ではタイサブリ点滴静注300mg(バイオジェン・ジャパン株式会社)が流通しています。

本ページの効能・効果および作用機序は、PMDA 公開の添付文書情報に基づき平易に再構成したものです。用法・用量については医師の処方と最新の添付文書をご確認ください。

作用機序

薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。

たとえ話

多発性硬化症では、免疫細胞が「血液脳関門という扉」をくぐって神経組織へ侵入し、炎症を起こします。ナタリズマブはその扉の取っ手(インテグリン)を覆って免疫細胞がつかまえられないようにすることで、侵入そのものを抑える働きをします。

平易に言うと

ナタリズマブは白血球の表面にあるα4インテグリンというタンパク質に結合する抗体です。これにより、白血球が血管内皮にあるVCAM-1という接着分子と結びつけなくなり、脳や脊髄を含む炎症部位へ入り込みにくくなります。結果として、多発性硬化症の病巣が新たにできることや、既存の病巣で炎症が広がることを抑えます。

詳しく

ナタリズマブはヒトインテグリンα4サブユニットに特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体です。α4β1インテグリンと血管内皮細胞表面のVCAM-1との相互作用を阻害することにより、炎症性組織への免疫細胞の動員を抑制し、多発性硬化症の病巣形成を阻止すると考えられます。さらに、α4インテグリンを発現する白血球と細胞外マトリックスとの相互作用を阻害することで、病巣で進行している炎症反応を抑制する可能性も示唆されています。

アニメーションで仕組みを見る

仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。

ナタリズマブはその扉の取っ手(インテグリン)を覆って免疫細胞がつかまえられないようにすることで、侵入そのものを抑える働きをします

α4インテグリンナタリズマブ炎症性組織への免疫細胞の動員
  1. 多発性硬化症では、免疫細胞が「血液脳関門という扉」をくぐって神経組織へ侵入し、炎症を起こします。
  2. ナタリズマブは白血球の表面にあるα4インテグリンというタンパク質に結合する抗体です。
  3. これにより、白血球が血管内皮にあるVCAM-1という接着分子と結びつけなくなり、脳や脊髄を含む炎症部位へ入り込みにくくなります。
  4. α4β1インテグリンと血管内皮細胞表面のVCAM-1との相互作用を阻害することにより、炎症性組織への免疫細胞の動員を抑制し、多発性硬化症の病巣形成を阻止すると考えられます。
インテグリン阻害薬(ナタリズマブ)の作用イメージ

ターゲット:α4インテグリン(α4β1)/VCAM-1 相互作用

活性化された免疫細胞の表面にあるα4β1インテグリンが、血管内皮のVCAM-1と結びつくことで、免疫細胞は血液脳関門を通過して神経の病巣へ入り込みます。この接着が多発性硬化症の病巣形成に関わっています。

承認された適応

適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。

Japanでの承認適応

PMDA
  • 多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制

公式ソース

このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。

  1. PMDA 医療用医薬品添付文書(タイサブリ点滴静注300mg)

    独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)

このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。

MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。