デスモプレシン
デスモプレシンは抗利尿ホルモン(バソプレシン)の構造を基に設計された合成ペプチド製剤です。腎臓での水分再吸収を促すことで尿量を減らし、夜間多尿による夜間頻尿の改善に用いられます。
デスモプレシン酢酸塩水和物は、脳下垂体後葉ホルモンの一種であるバソプレシンの構造を基に設計された合成ペプチド製剤であり、日本ではフェリング・ファーマ株式会社により販売されています。
本ページの効能・効果および作用機序は、PMDA 公開の添付文書情報(ミニリンメルトOD錠25µg、フェリング・ファーマ株式会社)に基づき平易に再構成したものです。用法・用量については医師の処方と最新の添付文書をご確認ください。
作用機序
薬が体の中で何をするかを説明します。用量・副作用・安全性の説明ではありません。
たとえ話
腎臓の集合管は「水の回収窓口」のようなもので、バソプレシンという指令役がこの窓口を開けて水分を血液中に戻します。デスモプレシンはこの指令役の代わりを務め、夜間でも窓口をしっかり開けた状態に保つことで、必要以上に尿が作られるのを抑えます。
平易に言うと
デスモプレシンは体内の抗利尿ホルモンに似た働きをする合成ペプチドです。腎臓の集合管にあるV2受容体に結合し、尿細管細胞の表面に水分チャネルを集めることで、尿から血液中への水分再吸収を促します。その結果、尿量が減少し、夜間に何度もトイレに起きる頻度が抑えられます。
詳しく
デスモプレシンはバソプレシンアナログとして、腎集合管主細胞のバソプレシンV2受容体に選択的に結合します。受容体活性化によりGsタンパク質を介してアデニルシクラーゼが刺激され、細胞内cAMP濃度の上昇とプロテインキナーゼAの活性化を介してアクアポリン2の頂側膜への挿入が促進されます。これにより尿細管腔からの水分再吸収が増加し、尿量が減少します。天然のバソプレシンに比べてV1受容体への親和性は低く、昇圧作用はほとんど示しません。
アニメーションで仕組みを見る
仕組みを分かりやすくした模式図です。縮尺や形は実際のものではありません。
デスモプレシンが指令役の代わりを務める
- 腎臓の集合管は「水の回収窓口」のようなもので、バソプレシンという指令役がこの窓口を開けて水分を血液中に戻します。
- デスモプレシンは体内の抗利尿ホルモンに似た働きをする合成ペプチドです。
- 腎臓の集合管にあるV2受容体に結合し、尿細管細胞の表面に水分チャネルを集めることで、尿から血液中への水分再吸収を促します。
- その結果、尿量が減少し、夜間に何度もトイレに起きる頻度が抑えられます。
ターゲット:バソプレシンV2受容体
腎臓の集合管に発現する受容体で、バソプレシン(抗利尿ホルモン)が結合すると水分チャネル(アクアポリン2)の膜移行が促され、尿細管での水分再吸収が進みます。
承認された適応
適応は国によって異なり、変わることがあります。必ず最新の添付文書に従ってください。
Japanでの承認適応
PMDA- 男性における夜間多尿による夜間頻尿
公式ソース
このページの記述は、以下の記録に遡ることができます。
- PMDA 医療用医薬品添付文書(ミニリンメルトOD錠25µg)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
- DailyMed 医薬品添付文書(DDAVP Tablets)
DailyMed, U.S. National Library of Medicine
このページは、薬が体の中でどう働くかをやさしく説明するためのものです。使うときの注意は、お手元の説明書か薬剤師さんにご確認ください。
MedUnfold は教育目的のコンテンツであり、医療上のアドバイスではありません。必ず最新の添付文書と医療専門家の指示に従ってください。